AMD社の32ビットマイクロプロセッサ。同社のAthlonプロセッサの強化版。
開発時のコードネームは0.18μm版が「Palomino」、0.13μm版が「Thoroughbred」。両者の間には製造プロセス以外の違いはない。
Athlon XPはAthlon MP/Mobile Athlon 4と同じコアが元になっており、「QuantiSpeed」と呼ばれるデータ先読み機能などを搭載し、クロックあたりの性能をさらに高めている。Athlon XPのプロセッサコアはAthlon MPとほぼ同じものだが、両者の違いはマルチプロセッサ構成が可能かどうかで、Athlon XPは(公式には)マルチプロセッサ構成にはできない。
Athlon XPでは性能の表記に、従来の動作周波数に代えて「モデルナンバー」という値が用いられている。Athlon XPは従来製品より1クロックあたりの平均命令実行数が高まり、単純なクロックの比較では性能を評価できなくなったためで、AMD社ではモデルナンバーは「旧版のAthlonプロセッサ(コードネーム「Thunderbird」)で同性能の製品の動作周波数を意味する」としている。
しかし、Athlon XPのモデルナンバーは、競合するIntel社が製造しているPentium 4の同価格帯製品のクロック周波数とほぼ一致するため、新たな性能指標を定めてプロセッサを少しでも高く売り込もうという同社のマーケティング戦略の一環なのではないかとも指摘されている。
Athlon XPのうち最も低速で動作するAthlon XP 1500+の実動周波数は1.33GHzで、以降モデルナンバーが100上昇するごとに実動周波数は66.6MHzずつ上がっている(例えばAthlon XP 2200+は実動1.8GHz)。
Athlon XPのその他の特徴として、マルチメディア拡張命令セットの「3DNow! Professional」のサポートがあげられる。キャッシュメモリサイズは1次128KB、2次256KB(データ重複防止機能あり)。FSBは266MHz(133MHzのDDR)となっている。