1989年にアメリカ規格協会(ANSI)によって標準化されたIDEの正式な規格。最初のATA規格は、最大データ転送速度は3.3MB/秒で、1台のハードディスクの最大容量は528MBまで。IDEに比べて若干の改良が加えられている。その後、EIDEを規格化したATA-2とATAPI、信頼性の向上や障害管理機能の追加を行ったATA-3、ATAとATAPIを統一したATA-4などの規格が策定されている。
AMD社が製造販売するCPUに搭載された、ひとつのCPUの上で複数のOSを動作させるためのハードウェアレベルでの仮想化技術。「Pacifica」(パシフィカ)の開発コード名で知られていた技術。
OSは通常、コンピュータのすべてのハードウェアリソースを占有して動作することを前提としている。このため、一台のコンピュータでは本来ひとつのOSしか動かすことができない。コンピュータの仮想化技術とは、一台のコンピュータを複数の仮想マシンとして論理的に分割し、それぞれの仮想マシンの上で別々のOSを独立して動作させることを可能とする技術である。
従来、コンピュータの仮想化を行うには、VMWareやVirtual PCなどのソフトウェアをひとつのOS上で実行し、その上で複数のOSを動作させるといった方法がとられてきた。仮想化をソフトウェアで行う場合、複数のOSの切り替え処理などにおいてオーバーヘッドが発生し、パフォーマンスが低下するという問題がある。
これに対しAMD Virtualizationは、ハードウェアレベルで複数の仮想マシンを制御する機構を用意しているため、切り替えなどにかかるオーバーヘッドが少ない利点がある。Intel社でも「Intel Virtualization Technology」(VT)と呼ばれる仮想化技術を自社のCPU製品に搭載している。
AMD社のマイクロプロセッサに搭載された、x86命令を64ビット幅のデータやメモリアドレスに対応できるよう拡張した命令セット。Opteronシリーズ、Athlon 64シリーズなどに組み込まれている。
x86命令セットは、もともと、Intel社の80x86シリーズのマイクロプロセッサに採用されていた命令セットで、現在の仕様はi386から導入された32ビット対応のものである。Intel社は64ビットのマイクロプロセッサを設計するに当たり、一から命令セットを定義し直し、Hewlett-Packard社と共同でまったく新しい(従来と互換性のない)「IA-64」アーキテクチャを開発した。
これはまったく新しい設計であるため、既存のソフトウェアを動作させるには32ビット命令を64ビット命令に変換する必要があり、変換にかかる処理の分、32ビットプロセッサよりも動作速度が劣ってしまうと言われている。
これに対し、Intel社の競合プロセッサメーカーであるAMD社は、既存のソフトウェア資産を有効活用できるアプローチとして、独自のx86-64アーキテクチャを開発した。これは、x86命令セット引き継ぎつつ64ビットへの拡張を行うもので、64ビットに拡張されたソフトウェアは高速に、32ビットのソフトウェアも従来に劣らぬ速度で実行することができる。
x86-64では、64ビット幅のデータなどを扱える「Long Mode」と、32ビット幅のデータを扱う「Legacy Mode」の2種類の動作モードが用意されている。64ビット拡張機能を使用する場合は、OSレベルでマイクロプロセッサのモードをLong Modeに変更する。Legacy Modeは従来のx86命令セットと完全互換のモードである。
マイクロプロセッサがLong Modeで動作している時は、マイクロプロセッサは64ビットコードと32ビットコードの両方を実行できるようになるため、64ビットベースで書かれたプログラムから32ビットベースのライブラリを呼び出して実行する、といったことも可能である。
「x86-64」という名称は、搭載プロセッサの正式リリースに伴って「AMD64」に変更された。その後、Intel社もAMD64互換の64ビット機能「Extension Memory 64 Technology」(EM64T)の提供を発表している。
マイクロプロセッサの構成要素の一つで、四則演算や論理演算など算術的な処理を行う回路。
演算を行う回路のほかに、演算結果などを一時的に保管するアキュムレータや、演算結果の正負や桁上がりなどの状態情報を保管するフラグレジスタなどで構成される。
マイクロプロセッサは、ALUのほかに、制御装置やレジスタ、クロックジェネレータ、バスなどで構成される。
キーボードの特殊キーの一つ。他のキーと組み合わせて使われ、特殊な動作を指示するのに使われる。Windowsの場合、単独でメニューバーにフォーカスを合わせるのに使ったりもする。